北京、上海などの大都市で働く高学歴人材が地方都市に移住している。地方政府は競うように住宅支給や戸籍付与などの優遇政策を打ち出す。
中国で都市間の人材獲得競争が激しさを増してきた。地元経済の高付加価値化を目指す地方政府は、現金補助や住宅支給などの優遇政策を次々と打ち出している。北京や上海などに集中しがちだった高級人材の配置図が変化しそうだ。
中国では北京、上海、広州、深センの4大都市を「一線都市」と呼び、続く各省の省都クラスを「二線都市」、各省内の主要都市を「三線都市」と呼んでいる。近年、高学歴人材の獲得に最も熱心なのは二線都市の中でも成長著しい成都、杭州、武漢、重慶、南京、天津、蘇州、西安、長沙、済南、合肥、青島だ。これらの一部を「新一線都市」と呼ぶこともある。
変化の背景にあるのは、経済成長を牽引してきた一線都市の巨大化が限界に達し、人口増に耐えきれなくなっていることだ。特に北京、上海はともに人口2000万人を超え、住宅価格や教育費などは異常な高騰が止まらず、人材流入の余地は小さい。実際、2016年1年間の人口増は北京2万4000人、上海4万4300人にとどまっており、頭打ち傾向は鮮明だ。地方都市にしてみれば人材獲得のチャンス到来というわけだ。
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