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「約款」不備は御法度 120年ぶりの民法改正

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明治以来の神格化された民法を改正。企業にはどれほどの影響があるのか。

検討から10年超を経てようやく改正された民法。3年の周知期間を経て施行される(共同通信)

およそ120年ぶりの大改正に、企業はどう対応すればいいのか。

5月26日、企業や消費者の契約ルールを見直した改正民法が成立した。契約分野の抜本的な改正は、1896年の民法制定以来初。明治時代の民法を、現代の経済活動に合わせて更新する。6月の公布から、3年以内の周知期間を経て施行される。

企業活動への影響はどうか。法定利率の変更や消滅時効の統一化など改正項目は多岐にわたる(図表1)が、最も関心が集まるのはインターネット通販などで用いられる「約款」だ。

[図表1]
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現行民法には規定なし

今年4月、関東在住の30代男性は通販サイトで2万5000円の酒を購入。その酒専用の箱に入った状態で届くと思っていたが、届いた酒は外箱に裸のまま入っていた。ギフト用だったことから返品を申し込むも、「自己都合の返品はできない」という利用規約に同意していたため、認められなかった。

このケースにおける争点は、約款が契約の一部となるか。不特定多数と効率的に取引するには、利用規約などの約款が不可欠だ。従来は約款に関する明文の規定がなく、トラブルの原因となるケースが多かった。

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