
半導体業界の先行きには、期待と不安の声が入り交じる(撮影:尾形文繁)
久々の活況に半導体業界が沸いている。米グーグルをはじめとしたIT大手が、データセンターへの投資を積極化。サーバーに搭載される3次元NANDと呼ばれる新型メモリ半導体が不足する事態に陥っている。
福音になったのはIoT(モノのインターネット)だ。これが本格化すれば、工場、家電、自動車などにさまざまな半導体が搭載される。生み出されるデータ量も爆発的に増大するとみられており、その処理に必要なデータセンターを建設しているのだ。
投資家たちも熱狂している。米国の半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は1106.22(6月5日時点)で、「ITバブル超え」が目前だ。

この恩恵は日本にも及んでいる。かつてはNECや三菱電機、日立製作所など数多の半導体メーカーが世界トップに名を連ねた。韓国サムスン電子などとの競争に敗北し事業撤退を余儀なくされたが、ともに成長を遂げてきた半導体製造装置や部材メーカーはいまだに世界で高い存在感を保っている。そしてこれらの企業が半導体の需要拡大に伴って業績を伸ばしているのだ。市場規模もSOX指数と呼応して過去最高をうかがう水準まで拡大している。
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