円安なら株高、円高なら株安。日本株はこれまで為替相場に割と素直に反応する相場だった。それだけに1ドル=110円台前半のレンジで推移しているドル円相場が円安傾向を続けるのか、円高に振れて昨年後半のように100円割れの水準を試すのか、日本株投資家にとって大いに気になるところだ。
為替アナリストやエコノミストからは足元、年末にかけて円高の進行を予想する声が目立つ。
「今年末に100円近い水準まで円高ドル安が進む」
大和証券の亀岡裕次・チーフ為替アナリストはそう予想している。リーマンショック後にゆっくりと回復してきた米国景気にそろそろ減速感が見られること、トランプ大統領が今後、保護主義色を強め、通商政策や日本銀行の金融政策に圧力をかけて円高の風圧が強まると見込まれるからだ。
短期でも長期でも円高に振れやすい局面
2017年のグローバル経済は今のところ比較的良好だとされている。IMF(国際通貨基金)の最新予測によると、世界経済の成長率は16年の3.1%から加速し、17年は3.5%の成長が見込まれている。OECD(経済協力開発機構)が毎月公表している景気先行指数で見ても、OECD諸国の景況感は昨年後半にいったん底打ちした後、力強さを欠きながらも回復基調にある。
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