世界経済は堅調ながら、株式市場は今後の方向感に乏しい。その中で頭一つ抜けるには、独自サービスや優れた商品開発力がカギになる。トップを駆ける企業を、『会社四季報』2017年3集夏号(6月16日発売)の最新予想を基に探った。
日経平均2万円の攻防
今こそ成長企業に注目だ!
なかなか方向感をつかみにくい相場だ。日経平均株価は6月2日に終値で2万0177円をつけ、2015年12月以来となる2万円台を回復した。だが、6日にはドル円相場が1カ月半ぶりに1ドル=109円台まで上昇。輸出関連株を中心に幅広い銘柄が売られ、わずか3営業日で大台を割り込んだ。しかし翌7日は前日比4円高の1万9984円で引けており、下値も底堅い。
これは裏を返すと、日本企業を取り巻く経済環境は「よくもなければ悪くもない」ということの証左でもある。景気の方向性を示す製造業PMI(購買担当者景気指数)はユーロ圏が好調を維持する一方、米国や中国の低下が響き、グローバルでは16年半ばから続いてきた回復基調が頭打ちになっている。ただ、日本はモミ合いながらも直近3年間で見れば高水準を保っている。
ファンダメンタルズ(経済活動の基礎的要因)には底堅さがある反面、株価を押し上げるほどのプラス材料でもない。他方、国内外の政治動向やそれに伴う為替市場の変動を受け、株式市場は小幅な上下動を繰り返している。結果、日経平均が2万円を挟んで一進一退になっているのが日本株市場の現状である。
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