3月下旬、インドネシアの住民が日本の環境保護団体の招きで来日し、口々に窮状を訴えた(上写真)。
「石炭火力発電所からの汚れた水が原因で、養殖池の魚やエビの収量が激減してしまった」
「(石炭火力発電所から排出された)汚泥の重みで漁網が破れる被害を幾度も受けている。収入が激減し子どもは中学校に通えなくなった」
問題が指摘されているのは、ジャワ島西部で増設が計画されているインドラマユ石炭火力発電所だ。中国の援助によって3基(各33万キロワット)がすでに稼働している。そこへ日本の円借款によって、さらに規模の大きな1基(100万キロワット)を建設する計画が持ち上がっている。
今、経済成長が著しいインドネシアでは、増大する電力需要に対応するため、石炭火力発電所の建設計画が目白押しだ。中でも最大の人口を擁するジャワ島では、日本の政府開発援助(ODA)や日本企業の投融資による計画が各地で進んでいる。それらが地域住民の生活に深刻な影響を及ぼし、現地で大きな問題となっている。
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