今回から、表現法について扱う。表現は「書く」「話す」という形態でなされる。人間には、これ以外に「読む」「聞く」という力がある。読む、聞くが受動的な力だ。
識字前の子どもを観察しているとよくわかるが、聞く力が他の力を圧倒している。文字を習得するとともに、読む力が聞く力に追いつく。
成人の場合、読む力と聞く力はほぼ同じだ。外国語の場合は、事情が少し異なる。読む力のほうが優位に立つ。最近の中学・高校の英語学習では、実用性を重んじて、聞く力と話す力を重視しているが、これでは高度な英語力を身に付けることは難しい。
ディクテーションで鍛える
筆者はいくつかの大学で教鞭を執っているが、学生には読む力をつけることを先行させよと指導している。実際に読む力がついた学生は、それに続いて聞く力と書く力が向上する。
聞く力については、初学者の場合、リスニング用の教材を大量に購入しても、消化不良を起こすだけだ。そのため筆者は、ディクテーション(ネイティブスピーカーが英語を読み上げ、それを生徒が書き取る)の訓練をすることを勧めている。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録いただくと、有料会員限定記事を含むすべての記事と、『週刊東洋経済』電子版をお読みいただけます。
- 有料会員限定記事を含むすべての記事が読める
- 『週刊東洋経済』電子版の最新号とバックナンバーが読み放題
- 有料会員限定メールマガジンをお届け
- 各種イベント・セミナーご優待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら