先進国の技術をコピーして台頭した中国だが、近年様相が変わっている。3大ネット企業の巨頭たちが、米国のハイテク企業を買いあさっているのだ。
自称、「二流のエンジニア、三流の研究者」の冷哲氏(ペンネーム)が主張する、「先進国粉砕機」という表現が再びインターネット上で注目を集めている。冷哲氏は、中国をはじめとする発展途上国と先進国の収入格差を生む直接的な原因について、それは政治制度や金融、文化、人種によるのではなく、この先進国粉砕機を持っているかどうかだと指摘している。
中国の名もない民営企業は、先進国に追いつこうと、既存技術の大規模コピーを基に価格優位性によって海外の同業者を「粉砕」し、市場の空白地帯を埋め尽くしてきた。十分な技術を持たない先進国企業の退路を絶ち、絶えず産業基盤を侵食する先進国粉砕機の得意分野では、「創業型(ベンチャー)企業が必死に戦っても、基本的に野山に屍(しかばね)をさらすことになる」と冷哲氏は見る。
一方ここ数年、中国の科学技術企業の巨頭たちは、米国ハイテク産業の中でも創業したてのベンチャー企業をしきりに狙い、大規模な資金を投じている。米国の経済メディア・CNBCは、「BATと総称される中国の科学技術企業の3巨頭、百度(バイドゥ)・阿里巴巴(アリババ)・騰訊(テンセント)は、現在、野心まんまんに米国に進出し、米国で起業したばかりのハイテク企業への投資を先頭に立って行っている。米国のトップクラスの人材を吸収し、イノベーションの優勢を勝ち取ろうとしている」と報じるなど、警戒感をにじませている。
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