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半導体企業が爆買い、製造装置にバブルか 株価上昇は昨年後半から一段加速

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SCREENの洗浄装置が台湾などの大手顧客に“爆買い”されている

「すばらしい決算だ」。2017年1月末から始まった半導体製造装置各社の4〜12月期決算説明会では業界アナリストから称賛の声が相次いだ。

注目すべきは受注額の大きさだ。国内最大手である東京エレクトロンの10〜12月期の受注額は前年同期から実に73%増の2976億円となり、過去最高を更新した。

洗浄装置が主力のSCREENホールディングスも、10〜12月期の半導体部門の受注は648億円と過去最高。想定以上に旺盛な需要を受け、業績予想を上方修正した。

半導体チップが正確に作動するか試験するテスターと呼ばれる装置を扱うアドバンテストは、韓国からの受注が前年の2.3倍の146億円へと急増。1〜3月期には10年ぶりに売上高が500億円の大台を突破する計画だ。10年前は携帯電話の普及に伴い、半導体業界に追い風が吹いたタイミングだった。

今、製造装置業界を牽引するのは、顧客である半導体メーカーの旺盛な設備投資だ。

韓国サムスン電子などのメモリ半導体企業は、「3次元NANDフラッシュ」と呼ばれる新型半導体の量産に向けて設備投資を進めている。サーバー向けの需要が急拡大しており、供給が追いついていない。半導体受託製造の台湾TSMCも、次期iPhone向けに供給される最先端半導体の量産体制を整えるべく製造装置を“爆買い”している。

好調な業績を原動力に、製造装置各社の株価はうなぎ上りだ。2016年1月と比較すると、2月末時点で3社とも1.6〜2倍強となった(図表1)。そのほか、半導体材料のウエハを扱うSUMCOや、製造に使う原料を扱う日立化成など、半導体銘柄は軒並み高値をつけている。

[図表1]
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「大手メモリ企業の投資意欲は9月までは続く」(アドバンテストの吉田芳明社長)という見方が大勢だが、それ以降は不透明だ。半導体の国産化に取り組む中国では「18年から現地半導体メーカーが立ち上がる」(東京エレクトロンの河合利樹社長)とみられているが、「政情が不安定な中国に期待しすぎるのは危険」(製造装置メーカー幹部)との声もある。過去に浮き沈みを繰り返してきた業界だけに、過度な期待は禁物だ。

リスク見据えた戦略を

足元を見ても死角がないわけではない。

まずは国内最大顧客である東芝の経営危機だ。原発事業で巨額減損を計上し、債務超過に転落した。資本増強に向け、半導体メモリ事業は売却する方向だ。「東芝にはかなりの額の売掛金を抱えており、リスクだ」とある中堅半導体部材メーカー幹部は漏らす。

そのほか、製造に用いるウエハの不足も懸念されている。SUMCOなどのウエハメーカーは今年いっぱいフル稼働が続く見通しだが、現状では価格が低すぎるため増産投資には慎重だ。

過去最高レベルの好受注に沸く中でも、リスクを見据えた手を打てるか。長期的な戦略こそが製造装置各社の将来の業績を左右する。

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