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マンション販売の失速が鮮明に 価格急騰に顧客がそっぽ

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地価と建築費が高止まりし、売れなくても価格を簡単には下げられない。

東急不動産が一棟丸ごと改修した六本木のマンション。単価は周辺の新築物件より割安だ(撮影:梅谷秀司)

銀座に程近い、聖路加国際病院周辺の一等地に建設予定の「プラウド銀座東」(全32戸)。販売価格は7500万円台〜2億円超と、野村不動産が展開するプラウドシリーズの中でも最高水準の物件だ。

世田谷・杉並区など東京郊外の物件を積極的に手掛けてきた野村にとって、銀座エリアへの進出は今回が初めて。同じ地区内で、すでに別の用地も確保している。

「郊外も都心も、数年前と比べるとマンションの売れ行きは厳しい。『ソッカン(即日完売)』はほぼ聞かなくなった」(デベロッパー幹部)。販売が好調なのは、都心5区の駅徒歩10分以内の物件など。郊外ではターミナル駅直結といった特殊な条件を備えていなければ、購入希望者になかなか訴求できない。野村が銀座エリアに進出したのも、需要がまだ見込める一等地だったためだ。 

マンション市場の様相が変わり始めたのは2016年に入ったころから。それまでは、相続税対策や投資目的の需要も重なり、首都圏では飛ぶように売れる物件が続出した。野村の「プラウドタワー立川」や東京建物の「ブリリアタワーズ目黒」は代表例だ。

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