心臓はポンプに例えられる。血液を全身に送り出し、全身から血液を迎え入れる。肺とも血液をやり取りして、血液に新鮮な酸素を取り込んでいる。
血液には動脈血(酸素が多い)と静脈血(二酸化炭素が多い)がある。正常な心臓は左心室・左心房・右心室・右心房の四つの“部屋”に分かれ、動脈血は肺→肺静脈→左心房→左心室→大動脈→全身、静脈血は全身→大静脈→右心房→右心室→肺動脈→肺、と循環する。
その心臓が抱える病気が心臓病だ。心臓病は大人でも死因の2位(1位はがん)。ただ、同じ心臓病でも大人と子どもでは大きく異なる。
大人では生活習慣病を背景に、心臓を取り巻く冠動脈に“詰まり”ができる心筋梗塞が典型的。一方、子どもでは先天的に心臓や血管の形が異常だったり、心房間や心室間の壁に穴が開いたりする病気が多い。生まれつき心臓に異常のある子どもは100人に1人とされるが、治療成績はここ数十年で格段に高まった。
治療・検査法の確立で救命率は大きく改善
子どもの先天性心疾患で代表的なのは、心室中隔欠損症(VSD)だ。左心室と右心室の間の壁に穴が開いている病気で、左心室の動脈血が右心室に流れ込む状態が続くと難病の肺高血圧症を引き起こす。
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