突然やってくる子どもの病気は、親にとって自分の病気以上につらいもの。少子化が進む中、生まれてきた子どもたちの健康を守っていくことは、親のみならず、社会全体にとっても重要だ。
「どうしてうちの子どもが……」。6歳になる息子にちょっとした異変を感じて、病院を受診させた追川泰子さん(仮名、30代)は、医師からある難病の名前を告げられて頭が真っ白になった。3050グラムで生まれた息子は、四つ上の兄と二つ上の姉に囲まれて順調に育ち、健康そのものに見えた。
与えた食べ物がいけなかったのだろうか、妊娠中の自分の生活が間違っていたのだろうか。息子が生まれてから今までのことを振り返りながら、追川さんは母親である自分を責めた。その傍らで夫は、病気についてインターネットで調べ始め、本を買い込み、まるで何かに取りつかれたかのように情報収集に当たっていたという。
子どもの病気──。それは、予期せず突然やってくる。せっかく生まれてきた子が、昨日まで元気だった子が、病気であると知らされたとき、親は大きなショックを受け、不安で押し潰されそうになる。わらをもすがる思いで情報をかき集め、よい可能性を少しでも見つけようとする。そして、重い病気、軽い病気にかかわらず、小さな体で痛みや苦しみやあらゆる困難に耐えようとする子どもを見て、できることなら自分が代わってあげたいと切に願う。
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