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生え抜きトップ候補ゼロ、舵取り不在の漂流船 1年で現社長も交代か、外部人材の登用不可避

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「私に求められているのは、しがらみのない一定の合理性に基づいた経営判断。自由闊達な風土を醸し出す」──。

昨年5月の社長交代会見で東芝の綱川智社長は、医療用機器畑からのトップ就任について、こう述べていた。就任直後の会見では、各社内カンパニーの「自主自立経営」を何度も強調していた。

昨年の社長交代会見。社外役員の小林喜光氏(左)は「外部招聘も考えた」と語っていた(撮影:梅谷秀司)

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だが自主自立路線は裏目に出る。米ウエスチングハウス(WH)で判明した莫大な建設コストについて、WH会長でエネルギーシステムソリューション社の社長であるダニー・ロデリック氏が、綱川社長に報告したのは12月中旬のこと。業績の上方修正を繰り返した後だった。自主自立を尊重した結果、任せきりになり、重大な経営情報の共有が遅れた。

「私に知らされたのは会見(昨年12月27日)の前日」。東芝のある社外役員は、この一件についてこう話す。同役員によれば、損失の原因となっているWH子会社ののれんの算定作業について、役員会で進捗状況が報告されたことは一度もなかったという。

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