資産売却1兆円、人員削減3万人──。2015年に不正会計が発覚して以降、東芝が推し進めてきたリストラだ。
09年3月期以降、決算で水増ししていた利益の累計額は、税引き前利益で2248億円、最終利益で1552億円に上った。インフラ事業における工事進行基準、映像事業の経費計上、半導体事業の在庫評価、パソコン事業の部品取引という四つの分野で不正な手口を用いて利益をカサ上げしていた。
田中久雄社長の引責辞任を受けて指揮を執った室町正志社長(当時。現在は特別顧問)は、「当期利益至上主義に陥り、構造改革が後手に回った」と認め、再建に向けた大規模なリストラを打ち出した。事業撤退や人員削減を先送りしたツケが一気に回ってきた格好だった。
動きは速く、第三者委員会の報告書が発表された翌日、子会社の東芝エレベータが保有する、昇降機事業のパートナーであるフィンランド・コネ社の株式を1180億円で売り払っている。半導体事業では画像用の撤退を決め、生産設備をソニーに売却。赤字続きだった家電子会社の東芝ライフスタイルは、中国の家電大手である美的集団に売却した。
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