稼ぎ頭であるメモリ事業を分社化して出資を受け入れれば、東芝は数千億円規模の資本増強ができる。だが、現時点で最終損失はどこまで膨らむのかが見通せていないのが苦しいところだ。
メインバンクである三井住友銀行の國部毅頭取は、「可能なかぎりサポートしていく」としている。ただし、「(損失の)具体的な金額が明らかになったところで東芝の対応策を伺う」というのが大前提だ。引き続き取引銀行の理解を得ていくうえで、何よりも東芝自身で身を切る覚悟が問われている。メモリ事業の分社化に限らず、残るほかの優良資産も急いで売っていくしかない。
有力候補は東芝テック、非上場にも優良会社が
「今年に入ってから金融関係者経由で、(東芝の)この事業を買いませんか、といった提案が来た」。大手ファンドの首脳はそう打ち明ける。
ファンドや金融関係者の間で俎上に載るのはグループの上場会社7社と、非上場でも収益規模が大きい子会社だろう。連結ベースの自己資本の上積みになる利益額は不明だが、上場7社の株式をすべて売れば、約2500億円のキャッシュが入る計算だ。
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