沈没する19万人企業、東芝解体 原発事業の巨額損失で再建計画は完全崩壊

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年の瀬に飛び出した原子力事業の巨額損失で経営は暗転。再建計画が白紙となり、かつての名門企業は解体へ向かう。従業員19万人の巨艦はこのまま沈むのか。

(本誌:井下健悟、二階堂遼馬、山田雄大、山田雄一郎、富田頌子、東出拓己、杉本りうこ)
写真:巨額損失の震源地となった米原発子会社の建設現場。原子力事業への依存が東芝を解体の危機に追い込んだ

[ポイント1]
東芝が発表した原発事業の数千億円の損失リスクで一気に経営危機が再燃。2期連続で5000億円規模の最終赤字となり債務超過転落のおそれも出てきた

[ポイント2]
追い込まれた東芝がやるべき事は、(1)資産売却による資金調達と資本増強、(2)原子力事業の分離、(3)外部資本の受け入れによる株主資本増強だ

[ポイント3]
資産売却の目玉は半導体メモリ事業の売却で、鴻海精密工業やキヤノンも関心を寄せる。日本社会を支えてきた名門・東芝の解体の道が始まる

 

名門底なしの危機

「有(ヨウ)」(ある)──。

中国の旧正月(春節)を控えた1月22日、世界最大のEMS・鴻海(ホン ハイ)精密工業が台北市で忘年イベントを行った。その直後、郭台銘(テリー・ゴウ)董事長に、東芝への関心を問うと、冒頭の言葉だけ残して立ち去った。

ナンバー2で郭氏の分身と称される戴正呉シャープ社長も直撃すると、「もちろん、ある」。具体的な事業を挙げて質問を重ねたところ、「シャープで半導体をやっているわれわれに、メモリ(事業)をできない理由があるか?」と真剣な表情で聞き返された。

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