政治経験や知性・気質面で明らかに大統領職への適性について勝っているヒラリー・クリントンが、支離滅裂な敵に無残に敗退した。今の米国には、「女性は何にでもなれる。大統領以外は!」という絶望感が漂っている。
これは、リベラルな男性にも連鎖反応を起こし、月刊誌『アトランティック・マンスリー』の名物ライターであるジェームズ・ファローズは、チンパンジーの雄がリーダーの地位を奪うために地団駄を踏み、地面をたたき、木の枝を引きずり、投石などの威嚇行動に出る例をトランプの狂態とダブらせた。動物界では、雄しかリーダーになれないのである。
一方、クリントン側はガラスの破片を模した紙吹雪を用意していたから、敗北は一層無残である(むろん、最後の「ガラスの天井」である大統領職の獲得を祝うはずだったのだ)。
他方、2016年の大統領選は、米国が理念よりも動物的サバイバルに腐心せざるをえない段階に劣化した現状を如実に証明している。今回の投票パターンを見ていこう。
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