
「初めて政治に興味を抱いた」と目を輝かせるトランプ支持者たち(ロイター/アフロ)
まだ予備選挙の投票が始まっていない2016年2月、私はニューハンプシャー州でトランプのラリー(集会)に初めて参加した。指定の空き地に駐車し、そこから屋内テニスコート施設を利用した会場にスクールバスが連れていってくれる。非常に手際がよい。
開場まで列に並んで待つのだが、その間にトランプのTシャツや帽子などのグッズが買えるようになっている。支持者のウキウキした雰囲気も、ロックコンサートそのものだ。ミス・ユニバース機構やカジノ・ホテルの経営で知られるトランプらしさが印象的だった。
共和党のライバルであるジョン・ケーシックやマルコ・ルビオのイベントではボランティアが受付をしていた。雰囲気はシリアスで、医療制度、国家予算、税金、外交についても語っていたが、トランプはそんなことはしなかった。ライバル候補の揶揄や、マイノリティや移民を批判する過激な発言で群衆をあおり、興奮させる。トランプのイベントで実感したのは、「群集心理を察知する皮膚感覚」という天賦の才だ。
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