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トランプ大統領の米国はどこへ向かうのか 選挙戦で広げすぎた大風呂敷と現実の狭間で

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「ヒラリーは30年間もワシントンにいたのに、この国を何も変えられなかったじゃないか。トランプなら、何かやってくれるはずだ」

大統領選挙の取材で米国を訪れ、投票前日の11月7日、ペンシルベニア州の地方都市、スクラントンで聞いた白人女性の声が印象的だった。連邦議会スタッフ、大統領夫人(ファーストレディ)、上院議員、国務長官と華々しい経歴を重ねてきた民主党のヒラリー・クリントン氏を手厳しく批判していた。

この日夜、共和党候補のドナルド・トランプ氏がスクラントンを訪れ、この女性を含め2500人の聴衆が集まった。9割ほどが白人だ。前座は元ニューヨーク市長のジュリアーニ氏が務める。トランプ氏が登場すると割れんばかりの拍手。「USA」のコールが鳴り響く。

トランプ氏はクリントン候補を徹底的に批判する。TPP(環太平洋経済連携協定)には絶対に加わらない。減税を断行する。インフラの整備を進める。そんなバラ色の政策を並べ立てるが、財源の話はない。それでも聴衆の熱気はすさまじい。ワシントンの既成政治への「憎しみ」とも思える反応だ。

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