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内向き志向強める米大統領選の意味するもの 北方領土交渉やTPPをめぐり日本にも影響大

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共和党のドナルド・トランプ氏と民主党のヒラリー・クリントン氏が争ってきた米大統領選は11月8日、投開票される。

当初は「泡沫」とみられていたトランプ氏が大統領候補にまでのし上がってきたのは、移民流入阻止や貿易自由化反対などの主張が米国の有権者に受けたためだ。大衆的人気が低いクリントン氏だが、民主党内の人材不足もあって、初の女性大統領にもう一歩というところまでたどり着いた。両候補に絞られた経過そのものが、米国の置かれた現状を映し出している。大統領選後の米国の動きと併せて考察してみよう。

トランプ氏は、不法移民を阻むためにメキシコとの国境に壁を建設し、費用はメキシコに負担させるなどと発言し、共和党内では異端視されていた。ところが予備選では、トランプ人気が徐々に広がる反面で、「本命視」されたブッシュ・元フロリダ州知事、ルビオ、クルーズ両上院議員らが伸び悩み、トランプ氏に絞られていった。

「自由貿易」「同盟国との協力」などを政策の軸とする共和党だが、トランプ氏は自由貿易に反対論を唱え、日本や韓国などの同盟国にも防衛費の負担増を要求。従来の共和党の政策を覆し、それが共和党支持者の支持を集めてきた。つまり、白人男性を中心とする共和党支持者が自由貿易によって自分たちの雇用が奪われ、同盟国との防衛協力によって米国の負担が膨らんでいると受け止め、不満を募らせてきたのである。そうした共和党の変質が「トランプ現象」を生んできた。

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