フランスは2001年、国連安全保障理事会の5つの常任理事国(P5)は、大量虐殺のような犯罪行為に関しては拒否権の行使を控えるべきだという提案を持ち出した。国連創設70周年記念を目前にした現在、オランド大統領は、この案を再び積極的に追求し始めている。はたして、実現は可能だろうか。
当然、ロシアと中国が難色を示すのは想像にかたくない。ロシアは1946年以降、実に100回以上の拒否権行使を行っている。11年以降は4回の拒否権行使を行い、シリアにおける虐殺行為に歯止めをかけるための決議を妨害している。
拒否権行使が約80回に上る米国も、この件に関しては熱心さを欠いている。フランス案を支持しているのは英国のみである。拒否権を廃止もしくは制限するような、正式な定款変更が実現することはありえないと誰もが考えている。
しかし、ここ15年間で常任理事国に対する国際的な圧力は高まっている。05年総会における「保護する責任」(R2P)原則の全会一致の採択以降、それはより一層顕著になっている。シリア情勢に対する決議の妨害は激しい嫌悪を生み出しており、最新の総計では、68カ国がさまざまな国連フォーラムでフランス案に対する支持を表明していた。
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