出版不況で残る条件 書店は消えていくのか
卸や印刷会社の傘下に入る大手書店チェーン。本屋に未来はあるか。
7月1日。東京駅八重洲口にある、八重洲ブックセンターが出版卸大手トーハンからの出資(49%)を受け、新体制が発足した。同社はトーハンの子会社となり社長もトーハン出身。1978年に当時国内最大の書店として開業、8階建てビルに約150万冊を抱える老舗だ。
それまでの親会社はゼネコンの鹿島。自社ビルということもあり、財務状況は極めてよく、2016年3月期の自己資本比率は80.8%と高い。が、本業不振で12年3月期以来、5期連続の最終赤字で、16年3月期も1.3億円の赤字になっていた。
八重洲ブックセンターのある八重洲2丁目は大規模バスターミナルを含む再開発計画が浮上。18年度にも建物の解体に着手する見通しだ。
スマホの普及もあり、書店業界を取り巻く環境は、年々厳しさを増す。全国の書店は15年で約1万3400店。00年に比べ約8000店も減った(アルメディア調べ)。
大手書店の再編は止まらない。08年に丸善が、09年にはジュンク堂書店が、大日本印刷の子会社になった(15年2月に合併)。トーハンは13年に阪急電鉄系のブックファーストも子会社化。15年には文化の発信地だったリブロの池袋本店が閉店し、今年2月には芳林堂書店が負債約20億円で自己破産した(図表1)。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録頂くと、週刊東洋経済のバックナンバーやオリジナル記事などが読み放題でご利用頂けます。
- 週刊東洋経済のバックナンバー(PDF版)約1,000冊が読み放題
- 東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
- おすすめ情報をメルマガでお届け
- 限定セミナーにご招待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら