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『中央銀行が終わる日』『「好き嫌い」と才能』 『マッカーサーと日本占領』など

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中央銀行が終わる日: ビットコインと通貨の未来 (新潮選書)
中央銀行が終わる日: ビットコインと通貨の未来 (新潮選書)(新潮社/304ページ)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。
いわむら・みつる●早稲田大学大学院商学研究科(ビジネススクール)教授。1950年生まれ。東京大学経済学部を卒業。日本銀行で企画局兼信用機構局参事などを経て、98年から早稲田大学大学院アジア太平洋研究科教授。2007年、研究科統合により現職。

貨幣を競争的に供給するのが停滞期には望ましい

評者 BNPパリバ証券経済調査本部長 河野龍太郎

マイナス金利政策の評判がすこぶる悪い。金融機関の資本コストを増加させていたのでは、景気刺激どころか、景気抑制になりかねないためだが、理由は果たしてそれだけか。

世界金融危機後、各国の中央銀行は量的緩和を進めたが、株価や地価を押し上げ富裕層を利するだけで、実体経済への効果は思ったほど上がらなかったという評価が欧米でも広がりつつある。十分な効果が得られず、それゆえさらに極端な政策に走ったのが日欧のマイナス金利の実態ではないのか。

それでは金融政策の効果が得られなくなったのはなぜか。本書は産業革命以降の経済発展の時代が終わり、経済停滞期に入ったからだという。高い成長の時代だったから、金融政策で成長率やインフレ率をある程度コントロールできていたのだ。

そもそも英国で19世紀半ばに中央銀行制度が確立したのは、産業革命で経済発展の時代が始まった直後だった。高い成長の時代が終われば、中央銀行がいくら努力しても、経済の実力そのものが低下しているため、成長を高めることはできず、インフレ醸成も難しい。中央銀行が脚光を浴びた20世紀後半が幸運な時代だっただけで、高齢化で最も早く停滞期に入った日本で金融政策が機能不全に陥ったのは必然だったという。評者も全く同じ認識だ。

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