「健全な肉体に健全な魂が宿る」という格言がある。スポーツで優秀な人は魂も健やかだというような意味で用いられるが、もともとの古代ギリシャでの格言は少しニュアンスを異にする内容だったという。この格言は仮定法で「健全な肉体に健全な魂が宿ればいいのに(実際は、なかなかそうならない)」という意味だ。
「意思も能力もあるライバル」が、人格的にも優れているとは限らない。自分の地位を保全するために、さまざまな陰険な手法を用いるエリートを、筆者は外務省で少なからず見てきた。これから紹介する事例は、筆者が直接経験した、もしくは見聞した事例だが、当事者のプライバシーがあるので若干デフォルメして伝えることにする。
第一は、自分が得意とする分野の仕事を、あえてライバルに割り振られるような形にする。そして上司に「彼は一生懸命、仕事をしています。熱意はとてもすばらしいのですが、率直に言って、××に関して彼はちょっと知識があいまいなので、結果がどうなるか心配です。決して悪口を言っているとは思わないでください。○○さん(上司の名)に御迷惑がかかることになっては申し訳ないと思って、あらかじめお耳に入れておく次第です」と耳打ちをしておく。
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