欧州では日本銀行に先んじてマイナスの政策金利を採用している国・地域がある。マイナス金利政策の効果と副作用を考えるため、その経験を振り返ってみる。
デンマークが発端 通貨高の抑制が目的
広範囲にマイナスの政策金利が導入されたのは2012年7月以降のデンマークからである。同国の主要な政策金利である譲渡性預金(CD)金利は、14年4月から9月に一時的にプラス圏に引き上げられた時期を除いて、現在に至るまでマイナス圏で推移している。
通貨デンマーククローネは対ユーロでの為替変動幅を、中心レートから一定範囲内とするペッグ制を採用している。そのため、デンマーク国立銀行(中央銀行)の金融政策は、欧州中央銀行(ECB)に連動する形で行われてきた。
欧州債務危機の深刻化により、欧州内でユーロの代替投資先として魅力が増した同国には資金流入が加速、継続的な通貨高圧力に見舞われてきた。資金流入を抑制しユーロとのペッグ制を維持するため、ECBに追随して金融緩和を強化、マイナスの政策金利導入が必要となった。
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