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まず宗教、型破りなアプローチで読む 中東・イスラム

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高橋 和夫 放送大学教授

たかはし・かずお●北九州市生まれ。大阪外国語大学ペルシャ語科卒業。米コロンビア大学国際関係論修士。クウェート大学客員研究員等を経て2008年から現職。(撮影:梅谷秀司)

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中東・イスラムを理解するための読書なら、一般的には今、起きているニュースから読み始めるところだろう。ただ今回は型破りなアプローチを勧めたい。まず宗教に関して読み始め原点から歴史を知る。次に文学で中東の感性に触れ、現代の経済や軍事や思潮へと進むというのがその道筋だ。

中東を知ることは欧米を知ることでもある。欧米文明の精神的基盤となっているユダヤ教やキリスト教は、中東発の宇宙観であり世界観、歴史観だからだ。だからまずイスラム教、ユダヤ教、キリスト教の3宗教に影響を与えた『宗祖ゾロアスター』に出合いたい。その重要性は宗教史上にとどまらない。タタなどインドの有力な企業グループを、ゾロアスター教徒たちが支配しているからだ。

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続いて教典に触れよう。『コーラン』は、説明するまでもなく、イスラム教の聖典である。キリスト教は、大多数の日本人はわかったつもりになっているだけで本当のところを理解しているとは言いがたい。イスラム教を理解するためにも、欧米のキリスト教徒とユダヤ教徒と付き合うためにも、『聖書』は最低限の理論武装となろう。

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