高橋 和夫 放送大学教授
中東・イスラムを理解するための読書なら、一般的には今、起きているニュースから読み始めるところだろう。ただ今回は型破りなアプローチを勧めたい。まず宗教に関して読み始め原点から歴史を知る。次に文学で中東の感性に触れ、現代の経済や軍事や思潮へと進むというのがその道筋だ。
中東を知ることは欧米を知ることでもある。欧米文明の精神的基盤となっているユダヤ教やキリスト教は、中東発の宇宙観であり世界観、歴史観だからだ。だからまずイスラム教、ユダヤ教、キリスト教の3宗教に影響を与えた『宗祖ゾロアスター』に出合いたい。その重要性は宗教史上にとどまらない。タタなどインドの有力な企業グループを、ゾロアスター教徒たちが支配しているからだ。
続いて教典に触れよう。『コーラン』は、説明するまでもなく、イスラム教の聖典である。キリスト教は、大多数の日本人はわかったつもりになっているだけで本当のところを理解しているとは言いがたい。イスラム教を理解するためにも、欧米のキリスト教徒とユダヤ教徒と付き合うためにも、『聖書』は最低限の理論武装となろう。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録いただくと、有料会員限定記事を含むすべての記事と、『週刊東洋経済』電子版をお読みいただけます。
- 有料会員限定記事を含むすべての記事が読める
- 『週刊東洋経済』電子版の最新号とバックナンバーが読み放題
- 有料会員限定メールマガジンをお届け
- 各種イベント・セミナーご優待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら