新興国に通貨下落圧力 ドル高に元安の重し
通貨安、資金流出に見舞われる、資源国や新興国。その耐久力が問われる。
米国FRB(連邦準備制度理事会)は、年内にも政策金利を引き上げると予想されており、米ドル高観測によって、新興国および資源国からの資金流出が続いてきた。こうした中、8月11日に中国人民銀行が、過去数カ月にわたり米ドルとペッグ(固定)状態にあった人民元の実質的な切り下げを行ったことは、市場に米ドルの「独歩高」を意識させ、新興国や資源国通貨への下落圧力を強めることにつながった。
その影響が特に色濃く出ているのは、近年、中国経済との連動性を強め、足元の中国の景気減速のあおりを受けやすい、ASEAN(東南アジア諸国連合)だ。
インドネシアやマレーシアは資源国でもあり、現下の商品市況の調整も、景気低迷や対外収支の悪化につながるとの連想を生みやすい。マレーシアでは政治資金をめぐる疑惑からナジブ政権の支持率が低下し、タイでは暫定政権の長期化による民政移管の後ずれが懸念されるなど、政治的に不安定な状況も続いている。タイにおいては今月発生した爆弾テロによる情勢不安も懸念される。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録頂くと、週刊東洋経済のバックナンバーやオリジナル記事などが読み放題でご利用頂けます。
- 週刊東洋経済のバックナンバー(PDF版)約1,000冊が読み放題
- 東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
- おすすめ情報をメルマガでお届け
- 限定セミナーにご招待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら