日中関係の今後を占ううえで注目された安倍談話。中国政府の反応は抑制的だったが、ここから両国の関係改善につなげるために何が必要なのか。
戦後70周年に当たっての安倍晋三首相の談話は、中国でたいへん関心を集めている。8月14日に談話が発表されてから、中国の大手ポータルサイトはそれぞれ独自に中国語に翻訳し、掲載した。当日23時ごろまでに、最大手の新浪ネットだけでも少なくとも70万人以上が訳文を読んだ。
安倍談話の翻訳文を読むことで、中国人は日本政府が戦後70年に当たって何を考えているかを直接知ることができた。これは大きな変化だ。かつてなら、メディアを通じて政府や専門家の見方を知るだけだった。20年前に出た村山談話の翻訳をちゃんと読んだ中国人は、あまり多くはいないだろう。
事前に注目されていたのは村山談話をどれだけ継承するかだったが、安倍談話には侵略、植民地支配、お詫びや反省など村山談話の重要なキーワードが盛り込まれた。安倍談話は日本国民にかなり受け入れられており、一般の中国人にとっても理解しやすい内容だと感じている。外交部(外務省)報道官のコメントは、日本で報道されたとおり、抑制されたトーンのものだった。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録頂くと、週刊東洋経済のバックナンバーやオリジナル記事などが読み放題でご利用頂けます。
- 週刊東洋経済のバックナンバー(PDF版)約1,000冊が読み放題
- 東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
- おすすめ情報をメルマガでお届け
- 限定セミナーにご招待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら