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家族という幻想に囚われるな 下重 暁子 作家

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相続を考えることは、自分と家族との関係を考え直すことでもある。現代の日本人は家族とどう向き合うべきなのか。ベストセラー『家族という病』(幻冬舎新書)の著者、下重暁子氏に聞いた。

しもじゅう・あきこ●1936年生まれ。早稲田大学教育学部卒業後、NHK入局。日本ペンクラブ副会長、日本旅行作家協会会長。『持たない暮らし』(KADOKAWA)など著書多数。(撮影:今井康一)

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──「家族だんらんは幻想である」と断言されていらっしゃいます。

幻想です。日本人は皆、家族同士のことを十分知っていると思い込んでいますが、実のところは何も知りません。家族が互いのことを知っているのなら、なぜ家族同士の殺人事件が絶えないのでしょう。殺人までに至らないとしても、親子間の確執やきょうだいげんかなどは日常茶飯事です。

問題は、そうした話を「自分の家族にだけはそんなことは起こらない」とひとごとに思っていることです。家族といえども違う個人です。個と個の間に摩擦が生じれば、何が起きても不思議ではありません。

──山田太一氏原作・脚本のテレビドラマ『岸辺のアルバム』(TBS)を引き合いに出されています。

当時ハッピーエンドで終わることの多かったホームドラマに一石を投じた、さりげなくて恐ろしい作品でした。内容は、東京郊外の多摩川沿いに住む中流の4人家族が一見幸せそうに振る舞っていながら、それぞれ秘密を抱えているというもの。しだいに個々の生活があからさまになる様子が描かれています。

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