このところ終活ばやりだ。少子高齢社会で高齢の単身者、いわゆる「おひとりさま」が増えていることが背景にある。だが、人生の最終章は一人でできることに限界が多くなっていく。だから、支えがいる。
東京都内に住む女性(84)は2002年、生前契約をNPO(民間の非営利組織)の「りすシステム」(以下、「りす」)と結んだ。生前契約とは、入院や施設入居の保証人の依頼、認知症に備えての任意後見契約、葬儀や墓の扱い、賃貸契約の解除や財産処分など死後の事務処理を、元気なうちに指示しておくものだ。
女性は結婚せず、大学職員として勤め上げた。一人暮らし。ちょうど母親を亡くし、自身の死後のことを考え始めたとき、偶然知った「りす」の説明会に参加を申し込んだ。これまでに転居時の賃貸契約保証人と、検査入院時の緊急連絡の指定先として利用している。
彼女は財布から1枚のカードを取り出してみせた。表には緊急時連絡先として「りす」の電話番号、裏には血液型やかかりつけ医の連絡先が記載されている。「いざというときにはという安心感があります。あまりお世話になることがなかったけど、年齢的にこれからはいろいろとあると思うから」と彼女は話す。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録いただくと、有料会員限定記事を含むすべての記事と、『週刊東洋経済』電子版をお読みいただけます。
- 有料会員限定記事を含むすべての記事が読める
- 『週刊東洋経済』電子版の最新号とバックナンバーが読み放題
- 有料会員限定メールマガジンをお届け
- 各種イベント・セミナーご優待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら