有料会員限定

わが家のように看取られたい おひとりさま終活を支える「市民力」

✎ 1 ✎ 2 ✎ 3 ✎ 4 ✎ 最新
拡大
縮小

このところ終活ばやりだ。少子高齢社会で高齢の単身者、いわゆる「おひとりさま」が増えていることが背景にある。だが、人生の最終章は一人でできることに限界が多くなっていく。だから、支えがいる。

[図表1]
拡大する

特集「これからの相続」の他の記事を読む

東京都内に住む女性(84)は2002年、生前契約をNPO(民間の非営利組織)の「りすシステム」(以下、「りす」)と結んだ。生前契約とは、入院や施設入居の保証人の依頼、認知症に備えての任意後見契約、葬儀や墓の扱い、賃貸契約の解除や財産処分など死後の事務処理を、元気なうちに指示しておくものだ。

女性は結婚せず、大学職員として勤め上げた。一人暮らし。ちょうど母親を亡くし、自身の死後のことを考え始めたとき、偶然知った「りす」の説明会に参加を申し込んだ。これまでに転居時の賃貸契約保証人と、検査入院時の緊急連絡の指定先として利用している。

彼女は財布から1枚のカードを取り出してみせた。表には緊急時連絡先として「りす」の電話番号、裏には血液型やかかりつけ医の連絡先が記載されている。「いざというときにはという安心感があります。あまりお世話になることがなかったけど、年齢的にこれからはいろいろとあると思うから」と彼女は話す。

関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
有料法人プランのご案内