有料会員限定

年内で「超円安」終焉か トリガーは米FRB

拡大
縮小

2007年6月の水準を突破し、年内は円安シナリオだが...。

利上げの時期は後ろにずれてきたが、イエレンFRB議長は「年内」の旗を降ろさない(AP/アフロ)

「もはや金融危機後ではない」ということか。

5月26日の為替市場ではドルが対円で一時1ドル=123円33銭と7年10カ月ぶりの高値を更新した。FRB(米連邦準備制度理事会)のジャネット・イエレン議長が5月22日に「年内利上げが適切」と発言したことが休暇明けの欧米市場で材料視された格好だ。

5月22日といえば、2年前の2013年5月22日、ベン・バーナンキFRB議長(当時)が量的緩和政策の縮小に言及。翌日の23日には日経平均株価が1日で1000円を超える下落、ドルも対円で日次高値から3円近く急落してドル安円高となり、後に“バーナンキショック”と呼ばれた。それからちょうど2年後に、再び金融政策の出口を示唆するFRB議長の発言で円相場が揺れたが、今回は逆にドル高円安となった。

さらに、5月28日、ドルは対円で124円30銭と、02年12月以来、12年ぶりの高値をつけた。07年6月22日につけた「1ドル=124円14銭」を突破したのは象徴的だ。この日、この水準を境に05年から始まった超円安局面が終焉し、長期の超円高局面に入ったことを考えれば、円相場が名実共に「もはや金融危機後ではない」という状況に移ったといえる。「130円」という声が再び勢いづこう。

関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
有料法人プランのご案内