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イエレンFRB議長よ、政治の圧力に屈するな 中銀と政治の適正な距離めぐる終わりなき戦い

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米大統領選挙の討論会で共和党のドナルド・トランプ候補が、米国連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長が政治的な役割を演じているとの持論をあらためて強調した。トランプ氏の批判は、FRBが(ヒラリー・クリントン氏と同じ民主党のオバマ現政権下で)景気回復が進んでいると有権者に思い込ませるため、あえて低金利政策を続けているという理屈だ。

これは的外れではないが、私はそうは思わない。仮にイエレン議長が金利の据え置きを決めているとすれば、彼女はなぜここ数カ月間、FRBが市場想定よりも前倒しで利上げを行う可能性があると主張し、長期金利の上昇を招いたのだろうか。

中央銀行当局者が選挙前に政権を支援した前例はある。ニクソン米元大統領は1972年時の大統領選挙に勝つため、当時のバーンズFRB議長に景気刺激策を要請した。結局、ニクソン氏は大差で再選され、バーンズ議長の政策は70年代の世界的なインフレ、固定相場制の破綻へとつながった。その長期的な負の影響は深刻だったといえる。

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