“経済オンチ"が招くトランプショックに備えよ スティグリッツ教授が「トランプ危機」に警告
トランプ当選をどうとらえたのか。世界的権威、スティグリッツ教授がインタビューに答えた。
──ドナルド・トランプ次期大統領が掲げる政策をどうとらえていますか。
同氏の主張には根本的な問題がある。歳出を増やす一方で、全所得層への減税を実施し、(米国政府の)予算を均衡化するというが、3つを同時に行うことはできない。数字的に帳尻が合わないのだ。
守れない公約をするという意味で、彼はポピュリスト(大衆迎合主義者)のレッテルを貼られている。公約の多くを破ることになるだろう。
──現在、連邦最低賃金は時給7.25ドルですが、選挙戦期間中、10ドル以上に上げることも示唆している。
それが、(実現不可能なことを公約するという)好例だ。引き上げてくれればいいとは思うが、共和党は反対の立場を取っている。トランプは共和党が異を唱える多くのことを公約している。
そもそも共和党は、昔から行いが一貫しておらず、誠実でない。たとえば、民主党が政権を取ると財政責任を求めるが、自分たちが与党に回ると支出もいとわない。レーガン大統領は、歴代大統領の中で最大の連邦債務を作り、ブッシュ前大統領も莫大な債務を積み上げた。トランプ政権も、そうなるだろう。
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