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漁獲枠削減のからくり 激化するサンマ争奪戦

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日本の漁獲枠は過去最低に。が、台頭する外国勢との交渉へ、対抗策も取った。

漁獲制限が厳しくなっても実際の水揚げ量が減るとは考えにくく、価格への影響はなさそうだ(KPS)

日本人の食卓に欠かせない魚、サンマ。国は資源保護のため漁獲量に上限を設けているが、5月26日、2015年漁期を26.4万トンに決定した(図表1)。14年比で26%減と大幅に削減され、過去最低の漁獲枠となる。

[図表1]
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サンマの資源状態は、危機的な状況とまでいえないものの、緩やかな減少傾向にある。その原因は諸説あるが、懸念材料の一つは、「公海で外国船による漁が増えている」(水産庁)ことだ。

日本は排他的経済水域(EEZ)内で年約20万トンのサンマを漁獲しているが、公海では約1000トンしか取っていない。政令などで日本のサンマ漁の方法は、光で魚を集める棒受け網漁にほぼ限られている。漁船のサイズにも上限があるために、公海に出ることはあまりない。

その公海には近年、台湾を中心に、海外勢が大型船で漁に出てくるようになった。EEZ分を除けば、漁獲量も日本とはケタ違いに多い(図表2)。サンマの回遊には海洋環境などさまざまな要因があり、公海での漁獲増加が必ずしも、日本のEEZに回遊するサンマ数量に影響するわけではない。が、日本の漁業者は、焦りの色を隠せない。

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