牛丼や回転ずし店など日本人にとってなじみ深い外食チェーン。TPPによって輸入食材の下落が見込まれる中、一般消費者からの値下げという恩恵を期待する声は決して少なくない。
とりわけ値下げ期待が高まっているのがサラリーマンに人気の高い牛丼だ。今回の大筋合意では現行38.5%の牛肉に対する関税が、発効後16年目以降は9%にまで下がる。
牛丼チェーン各社が使用する牛肉は、主に北米産のショートプレート(牛バラ肉)だ。現在の価格は1キログラム当たり約600円。これがTPP発効後16年目以降になると関税が29.5%下がるため、同471円となり129円下落する見込みである。牛丼チェーンによって異なるが、牛丼並盛1杯に入っている牛肉の量はおおむね100グラム前後だ。そこからTPPの影響を計算すると、関税引き下げによって牛丼並盛の牛肉調達コストは12・9円下がることになる。
このように牛丼価格の引き下げ余地があるものの、当然ながら、すんなり値下げというわけにはいかない。「輸入牛肉の額は現地相場や為替動向などさまざまな要因で決まるため、関税の引き下げだけで値下げをすぐに決断するのは難しい」(吉野家の河村泰貴社長)からだ。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録いただくと、有料会員限定記事を含むすべての記事と、『週刊東洋経済』電子版をお読みいただけます。
- 有料会員限定記事を含むすべての記事が読める
- 『週刊東洋経済』電子版の最新号とバックナンバーが読み放題
- 有料会員限定メールマガジンをお届け
- 各種イベント・セミナーご優待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら