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エーワン精密創業者(取締役相談役) 梅原勝彦 うつは、できる社長の証(あか)し 泣き笑い 町工場日本一

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たたき上げの職人が奇跡の町工場を作り上げた。大企業相手に一歩も引かない度胸と実績。うつと折り合いをつけながら、最強の工場を目指す。

気配りの人である。社員が休みを取ると「どうしたの」。ちょっとした言葉で周りを和ませる。東京・府中市に本社があり、山梨・韮崎市に工場がある(撮影:尾形文繁)

半分だけ、わが意を得たり、だろう。トヨタ自動車が2014年度下期に続き、15年度上期も部品の値下げ要請を見送った件である。

「あれだけ利益を上げれば、そりゃそうさ。でも、値下げ要請はしません、と言っただけ。あれで(購入価格を)5%上げます、と言ったなら、トヨタは男なんだけど」

エーワン精密の創業者、梅原勝彦(うめはら・かつひこ)には、そう言うだけの資格がある。

リーマン危機直後、トヨタが2割減収で5600億円の大赤字に陥った08年度。エーワン精密は3割減収ながら、3.5億円の経常黒字をキープした。「日本一の町工場」と称されるゆえんである。

主力製品はコレットチャックだ。一般にはなじみが薄いが、旋盤で削る材料を挟んで保持する工具であり、この地味な分野で6割のトップシェアを握る。市場そのものが小さく、売上高こそ18億円と町工場のサイズだが、梅原社長時代の37年間、経常利益率は一貫して35%以上。年商の2倍半の現預金を抱え、自己資本比率は9割を超える。

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