メルコホールディングス会長 牧誠 顧客目線で勝機をつかむ PC黎明期からの風雲児
始まりはオーディオ機器だった。PC周辺機器に進出すると、これが大ヒット。「バッファロー」ブランドを育てた波瀾万丈のベンチャー人生。
日本のパソコン(PC)ビジネスの黎明期をベンチャーとして支えてきたのは、1975年に「メルコ」を起業した牧誠(まき・まこと)(68)、77年に「アスキー出版」を創業した西和彦(60)、81年に「日本ソフトバンク」を設立した孫正義(58)の3人だろう。
この3人の中で経営者として今でもPCビジネスに注力するのは牧一人だ。現在の肩書はメルコホールディングス会長。同社は「バッファロー」のブランド名でPC周辺機器を開発・製造し、無線ルーターや外付けハードディスクなど、15の製品でトップシェアを持つ。
製造業の付加価値がどこにあるかを示す「スマイルカーブ」では、部品とサービスの付加価値が高く、組立産業の付加価値は低い。
PCビジネスはその象徴であり、PC生産で大きな利益を上げている企業はほとんどなく、部品のCPU(中央演算処理装置)やOS(基本ソフト)などに付加価値は奪われている。「PC-8800」「PC-9800」などで一世を風靡し、日本での草分け的存在だったNECもPC事業を中国レノボに売却した。そのPC関連の「製造業」として利益を出し続ける数少ない企業が、メルコである。後述するが、同社はあくまで製造業であることにこだわっている。
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