作家 浅田次郎氏に聞く 『日本の「運命」について語ろう』を書いた

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衆より個の利益を、未来より現在を大切にする今の日本。150年の間に起きた「変容」を深い洞察力と明快な論理で解き明かす。

日本の運命を知るため150年史に材を求めた

日本の「運命」について語ろう
日本の「運命」について語ろう(幻冬舎/228ページ)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。

──『終わらざる夏』『一路』をはじめ、好んでここ150年の歴史に小説の材を取ってきました。

歴史を学ぶ意味は二つある。一つは現代につながる考え方や社会のありようを知ること。そしてもう一つが、平和な時代が続けられなくなった理由について考えることだ。それは国家と国民の運命を知ることにつながる。

──日本の「運命」について語ろう、がタイトルです。

あと3年すれば明治維新から150年。150年もあると、明治維新から今日の歴史を分けて考えがちだ。特に日本は元号があるので明治と大正、昭和を別々の時代と考え、なおかつ違う国家観で戦前と戦後をとらえる。だが、よく考えてみると、一つの国の通史だから太い部分は今日までつながっているはず。むしろ運命的につながっているというのが僕の考え方だ。

この150年で、何を間違ったか何が成功したか、などとは考えない。歴史を振り返ると、どうもこのとおりにしかならなかったのではないかと運命的なものを感じる。これから先も、日本の運命はあるのだろう。それは変えられるものかどうかわからないが、それをなるべく正確に知っておくことは必要だと思う。小説もそのつもりで書いている。歴史小説を書くのなら、戦国時代を書けばそれは面白いだろう。だが、どうしても今日とのつながりが薄い感じがして、僕の守備範囲ではない気がする。

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