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社会不安の導火線にも 全土に広がる賃金不払い

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中国のカネ詰まりが深刻になっている。企業は現金を出し渋り、賃金の不払いが続出。労働者による抗議の過激化に対して政府も危機感を強める。

賃金不払いが全土で多発。写真は賃金を受け取れず、北京の地下鉄で夜を明かす建設労働者(AP/アフロ)

中国では毎年、春節(旧正月)の前に経営者は顧客から代金を回収し、出稼ぎ労働者は未払いの賃金を受け取って故郷に帰る。そうやって一年の決算をして新しい気持ちで新年を迎えるのが習わしだ。ところが今年の春節は、両者にとってかつてない厳しい年越しとなった。顧客も経営者も、カネの払いが例年に比べて極端に悪くなったからだ。

江蘇省で建築資材販売会社を経営する女性は「春節は中国人にとってすごく大事だから、何とか毎年7~8割は払ってくれた。それが今年はどんなに粘っても3割ぐらいしか回収できない。15年以上この商売をしているが、こんなのは初めて」。

この経営者の解説はこうだ。マンション建設の場合、計画段階から顧客への販売、引き渡しまで通常4年ほどかかる。2年ほど前まで物件は更地の段階で即完売。デベロッパーの資金繰りに問題はなかった。ところが政府の住宅価格抑制策(限購令)と景気の低迷で販売が急減、手持ちの資金でやり繰りしてきたが、ここへ来ていよいよカネ詰まりになっている。「今回はちょっと違うと誰もが思っている。仮に現金を持っていても、外に出さなくなった」。

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