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「一強」の時代 第6回

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政治の世界では、自民党というより、もはや首相官邸の独り勝ちだ。テレビの情報番組ではNHK出身の池上彰氏が引っ張りだこである。一強多弱時代とメディアの微妙な関係。

「安倍2.0」の復讐戦

逢坂 巌 立教大学兼任講師

おうさか・いわお●1965年生まれ。専門は現代日本政治、政治コミュニケーション。著書に『日本政治とメディア』、共著に『テレビ政治』。(撮影:今井康一)

「安倍晋三2.0」。私は新しいキャラクターに生まれ変わった安倍晋三首相をこう呼んでいます。第2次政権発足から2年が経過しましたが、世論調査の支持率は高止まりしたままです。官邸主導、言い換えれば官邸一強。その裏には新キャラの誕生、そして周到なメディア戦略があると思います。

第1次政権のとき、安倍首相はメディアに総攻撃されて支持率を落としていきました。本人の屈辱感は相当だったはずで、そのリベンジの思いが新キャラとなって結実した。それは首相を支えるスタッフも同じです。前回事務秘書官だった今井尚哉氏は、政務秘書官としてカムバックした。その部下たちもスピーチライターとして官邸を支えている。

NHKとの関係改善には、まず人事を使いました。昨年の新会長の選出には官邸の強い影響力が見えたし、NHK側もそれに応えて首相に近い記者を官邸に配置している。記者起用については産経新聞もそう。逆に朝日新聞は首相に直接電話できる記者は少ないようです。

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