「一強」の時代 第6回
政治の世界では、自民党というより、もはや首相官邸の独り勝ちだ。テレビの情報番組ではNHK出身の池上彰氏が引っ張りだこである。一強多弱時代とメディアの微妙な関係。
「安倍2.0」の復讐戦
逢坂 巌 立教大学兼任講師
「安倍晋三2.0」。私は新しいキャラクターに生まれ変わった安倍晋三首相をこう呼んでいます。第2次政権発足から2年が経過しましたが、世論調査の支持率は高止まりしたままです。官邸主導、言い換えれば官邸一強。その裏には新キャラの誕生、そして周到なメディア戦略があると思います。
第1次政権のとき、安倍首相はメディアに総攻撃されて支持率を落としていきました。本人の屈辱感は相当だったはずで、そのリベンジの思いが新キャラとなって結実した。それは首相を支えるスタッフも同じです。前回事務秘書官だった今井尚哉氏は、政務秘書官としてカムバックした。その部下たちもスピーチライターとして官邸を支えている。
NHKとの関係改善には、まず人事を使いました。昨年の新会長の選出には官邸の強い影響力が見えたし、NHK側もそれに応えて首相に近い記者を官邸に配置している。記者起用については産経新聞もそう。逆に朝日新聞は首相に直接電話できる記者は少ないようです。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録いただくと、有料会員限定記事を含むすべての記事と、『週刊東洋経済』電子版をお読みいただけます。
- 有料会員限定記事を含むすべての記事が読める
- 『週刊東洋経済』電子版の最新号とバックナンバーが読み放題
- 有料会員限定メールマガジンをお届け
- 各種イベント・セミナーご優待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら