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アイデアが出ない! 第11回

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自分の頭をたたいてみても、目を閉じてみても、そこにあるのは無の世界。もう何も残っていない。人に伝えることなどありもしない。クリエーターもビジネスマンもみんな悩んでいます。

アイデアが出せる幸せ

阿刀田 高 作家

あとうだ・たかし●1935年生まれ。早稲田大学文学部卒。79年『ナポレオン狂』で直木賞、95年『新トロイア物語』で吉川英治文学賞を受賞。(撮影:今井康一)

作家としてデビューしてからというもの、アイデアを求め続けて生きてきました。

最近になって、アイデアが必要なのは小説を書くうえでもサラリーマンが製品開発や人事管理をするうえでも同じだろうと思うようになり、『知的創造の作法』を書きました。

アイデアはまったく何もないところから生まれるものではありません。かといって何も手掛かりがないわけではない。日常生活でちょっと不思議だなと思うことに出合ったら、そこから想像を膨らませてみればいいのです。

たとえば数寄屋橋の交差点を歩いていたら、真ん中のあたりに、上等なスエードのハイヒールが落ちていた。明らかに履いた形跡がある。手袋ならまだしも、靴を片方落とす人はいません。「どういうことがあったらこうなるのだろう」。そう考えることからアイデアが広がっていきます。

想像の仕方についてもコツがあります。まず、その事柄を発展させる。次に、それとはまったく別のことを考えてみる。最後に、次元をまったく違えてみる。

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