2006年、安倍晋三首相は就任してわずか12日後の10月8日に北京を訪れ、胡錦濤・中国国家主席と会談。「戦略的互恵関係」で一致した。その8年後、14年11月10日に安倍氏は北京で習近平・国家主席と会談。再び「戦略的互恵関係」で合意した。長く森の中をさ迷い、気づくと元の場所に戻っていたような感がある。
首脳2人による25分間の会談が行われる3日前の7日、「日中関係の改善に向けた話し合いについて」と題した合意文書が発表された。これは外交交渉では異例だった。
安倍氏は「条件なしの日中首脳会談」を主張していたが、4項目の合意はあいまいながら条件をつけた形で、会談でどちらかが「それは違う」などと言い出せば大変だから、事前に発表して確定しておいたほうが無難であったろう。
焦点の尖閣諸島について、「双方は、尖閣諸島等東シナ海の海域において近年緊張状態が生じていることについて異なる見解を有していると認識し、対話と協議を通じて、情勢の悪化を防ぐとともに、危機管理メカニズムを構築し、不測の事態の発生を回避することで意見の一致を見た」とする。
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