15年前半にアベノミクス効果が増税に打ち勝つ
内閣官房参与 本田悦朗

ほんだ・えつろう●1978年東京大学卒、同年大蔵省(現・財務省)に入省。外務省や国際機関への出向経験も長く、財務省政策評価審議官などを歴任。2012年から現職。(撮影:尾形文繁)
アベノミクスはこれまで順調に機能してきた。資産効果が消費行動や投資行動に影響を与え、順調に需要サイドが伸びてきた。
だが、2014年4月には消費増税があり、第1四半期にはこれを見越した駆け込み需要が生じた。4月以降はその反動もあり落ち込んだ。7~9月も消費が回復していないのは、実質可処分所得が依然として深いマイナスから脱しきれていないためだ。デフレから脱却しようとエンジンを全開したところで増税する、矛盾した政策を行ってしまった。
一般の消費者が「アベノミクスは失敗だ」と言うのは、増税で景気回復の実感が湧かないからだろう。だがアベノミクスは、3党合意による消費増税とは哲学も出自も異なる。
アベノミクスはまず、デフレ脱却が必要だと考える。デフレマインドを払拭して需要を喚起し、人手不足になれば規制緩和を行い、女性・高齢者・若年層の労働力を充実させるとともにITやロボット技術の活用を図る。また成長戦略により経済を活発化し、財政再建を確実にする。
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