今だからこそ「業の肯定」を
落語界で異端といわれる立川流の中でも、独自の世界をひた走る、談笑。二つ目時代には血も凍る不条理な噺(はなし)を演じ、客席から笑顔を奪い去ったこともある。「シャブ浜」「イラサリマケー」など痛快な改作・新作落語で有名だが、真打ち昇進後は古典回帰の日々だ。立川流の最終兵器として目が離せない談笑師匠に、21世紀の落語論や世相についてマジメに語ってもらった。
──現代社会の中で落語の存在をどう位置づけて演じていますか。
落語を一言で言うと、『週刊少年ジャンプ』のような存在です。ずっと以前からあるが、いつもその時代に寄り添っている。表現する技術は確かに必要だけれども、決して高尚なものではない。それでいて生きる力や勇気をもらったりする。
ですから落語は、今の人たちと共に楽しめる「時代性」と、古くから伝わっているという「連続性」の二つが両輪となっている。その点で最近、若い落語家を見ていると、聞く人に合わせてどんどん落語に手を入れている。これは健全なこと。
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