[Special Interview]脚本家 倉本 聰
今回の原発事故の後、日本でなされている議論には矛盾を感じる。自然再生エネルギーなど供給側の議論ばかりで、需要側の議論がなされていない。たとえば、24時間やっているテレビやコンビニ、自販機の必要性、待機電力の必要性を考える“需要仕分け”のようなものを真っ先にしなければならないという気がする。本来、人間は太陽の時間に合わせて活動してきた。ところが大人も子どもも夜遅くまで活動するようになり、それでエアコンやネオンに多くの電気が必要になった。
ドラマ『北の国から』の最初の場面は、電気のないところへ連れて来られた純という子どものセリフ。
純「電気がなかったら暮らせませんよっ」
五郎(純のおやじ)「そんなことないですよ」
純「夜になったらどうするの!」
五郎「夜になったら眠るんです」
夜になったら眠る。私はこれが人間の暮らしの原点だと思う。
私は風呂に入るとき、ロウソクの灯りをつけて入る。ロウの減り具合によって、その日の入浴にどのぐらいの酸素やエネルギーを使ったのかが目に見えるからだ。
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