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反知性がますますはびこる 精神科医から見たアベノミクスの弱者切捨て

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[Special Interview 番外編]精神科医 香山リカ

かやま・りか●立教大学現代心理学部教授。東京医科大学卒。豊富な臨床経験を生かした現代人の心の問題からサブカルチャー批評まで幅広く活躍。1960年生まれ。(撮影:今井康一)

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安倍普三首相は「日本を取り戻す」ということをずっと主張している。だが、経済が回復して取り戻しているものよりも、失っていくもののほうが多いのでは、と精神科医として診察をしていて感じる。

診察では生活、経済的なことで苦しんでいる患者が実に多い。中小企業を経営していて商売が立ち行かなくなってしまい、経済問題から心を病んでしまう患者も少なくない。

そればかりか、診察代にも事欠くという人も増えている。以前はあまりなかったことだが、診察をして薬を出そうとすると「薬をジェネリックにして少しでも安くしてほしい」とか、薬価をすごく気にして「それはいくらになりますか」「もう少し安いものはないのですか」と深刻そうに問われるケースが増えている。

これは消費者の意識が高くなったというたぐいの話ではない。本当に払えないということ。患者さんを診ていると、よく言われている「格差の拡大」は実際問題として大変なのだな、と深く痛感する。

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