【産業天気図・鉄道・バス】東武は今期のスカイツリー効果顕著、来春以降は業界全体で運輸・流通の業績反転、「晴れ」に改善

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 東武鉄道は東京都墨田区押上・業平橋地区で、東京スカイツリー(総事業費1430億円、商業・オフィス施設含む)の大プロジェクトを進め話題を独占している。開業は12年春。本格的な収益寄与は13年3月期からだが、前哨戦はすでに始まっている。

今期は最低10億円のスカイツリー効果が見込めそう。スカイツリー見学による鉄道乗客数の増加やグッズ販売、近隣ホテルの宿泊収入増など早くも波及効果が表れているのだ。今上期の営業利益は前上期比11%増の152億円で、期初の会社予想124億円を大きく上回る結果となった。会社は通期営業利益予想を前期比微増の300億円に据え置いているが、前期比6.8%増の320億円程度に上振れする公算が大きいと四季報は予想している。

来期は不動産の好物件販売が減少することやスカイツリー開発進ちょくに伴う費用負担が大きくなることが響き、小幅ながら利益反落が現時点では予想される。ただ、スカイツリー人気の盛り上がり次第では、減益予想を覆すエネルギーを発揮するかもしれない。鉄道業界のみならず、明るい話題の少ない日本だけにその動きからは目が離せそうにない。

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