JR東海×JALのコラボ列車に乗ってみた 商売敵が手を組んでサプライズ合戦

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「この列車は大井回送線行きの団体専用列車です」――。何とも珍しいアナウンスに乗客が沸いた。通常の東海道新幹線のアナウンスとは内容が異なるだけに、録音している乗客もいたに違いない。

11月30日12時56分に新大阪駅を出発した新幹線N700Aの最終目的地は東京駅でなく、大井車両基地である。こうした特別列車の試みは、JR東海の担当者いわく「前代未聞」。ツアーには男性40人、女性5人の計45人が参加し、ファミリーや夫婦連れの姿もあった。

航空と鉄道の融合イベント

参加者に配られたレアなチケット

日程だけ見ると、初日は航空系のイベント、2日目は鉄道系のイベントと色分けできる。ただ、この2日目の特別列車の車内では、航空と鉄道が融合したイベントが行われた。JR東海の運転士と車掌、そしてJALの機長やCAが車両に同乗して、さまざまなトークが繰り広げられたのだ。

トークの中味は実に濃いものだった。たとえば、JR東海の運転士は500系やN700系といった運転経験のある新幹線車両について、それぞれの運転のしやすさ・しにくさを説明してくれた。JALの機長は、国際線と国内線のどちらが好きかという質問に対して、「1日の発着回数の多い国内線のほうが好き」と答えていた。

トークイベントが中盤に差し掛かった頃、サプライズが飛び出した。それが冒頭のCAによるファッションショーだ。トークの途中で席をはずしていたJALのCAが往年の制服を身にまとって登場すると、事前に告知されていなかった参加者たちはやんやの喝采となった。

2時間34分の行程はあっという間に終わった。15時30分に定刻通り東京駅に到着してもドアは開かない。何人かの参加者は「ドアが開かない新幹線」を体験しようと、ドアの前に陣取っていた。

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