小学校「英語嫌い」3割、必修化から3年で直面する課題を解決するコツ 英語教育の第一人者・佐藤久美子氏に聞いた

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小中一貫で英語教育を推進するうえで大切なこと
1. 必然性のある言語活動を重視
2. 口頭で何度も反復する時間を意識的に設ける
3. 日本語で長いルール説明をせずにシンプルに英語でやって見せて活動に入る
4. 子どもたちが自分で考えたり調べたりしたことを発表できる機会を設ける
5. 授業以外の時間に英語を取り入れる

教科書や音声教材などを子どもたちに向け「いきなり読む」「いきなり聞かせる」のではなく、音声教材を聞く前に関連したイラストを見せながら「ここはどこかな?」などと英語でやり取りをしたり、英語の絵本を読む前に、絵本のテーマに沿った質問をしてみたりなど、よい意味での“遊び心”“推測して考える”を大切にすることが、子どもたちの主体的な学びにつながるのではないでしょうか。

――急速に進むグローバル化で、子どもたちには英語を話す能力がますます求められる中、教員の英語指導力向上が急務になっています。佐藤さんは、教育委員会や各学校での研修に加え、幼児期からの英語教育の有効性や重要性についての研究活動や研究結果の発信を行う民間の研究機関「ワールド・ファミリー バイリンガル サイエンス研究所(Institute of Bilingual Science)」(以下、IBS)とも関わり、同研究所が主催する小学校教員や専科の教員向けの勉強会にも講師として参加しています。

これまでIBSが主催した小学校教員向けの英語活動に関する勉強会では、英語学というバックグラウンドで理論に基づく指導法を提供してきました。英語の授業の雰囲気づくりや教室英語の練習だけでなく、教科書プラスワンの活動を行い子どもたちの「楽しい!」「話したい!」という意欲を引き出せるよう、理論に基づく具体的な活動を、ワークショップ形式でお伝えしています。この勉強会は、小学校の現場の先生方にとって英語活動に関する相談ができる場ということで、大変意義のある活動となっています。今年も春、秋に実施予定ですが、今後もこのようなサポートを定期的に行っていきたいですね。

保護者は子どもの英語学習に興味を持つことが大切

――学校での英語学習の成果を発揮するために、親は家庭でどのような関わりを心がけたらよいでしょうか。

大切なのは、子どもの英語学習に興味を持つこと。家で宿題に取り組んでいたら、「こんなこと習っているんだね」「この動画、面白いね」などと声をかけ、関わってあげることがいちばんだと思います。

また、ちょっとしたときに「これは英語で何て言うんだろう」と調べられるように、リビングなどに小学生用の英語の辞書を置いておくとよいでしょう。辞書は、和英と英和が一緒になっているタイプのものをお薦めします。英和辞典には例文や単語の使い方も紹介されているので、和英辞典で日本語を英語で言えるようにするだけではなく、一緒に調べながら学びを広げることができます。英語が好きという保護者の方はもちろん、英語が得意でないという方も、子どもと一緒に学ぶ感覚で、「いつか海外旅行に行って、英語で買い物したり、レストランで注文したりできるようにしようね」など、共通の目標を持つようにするのもいいですね。

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