各国政府の危機対応能力を決定する要因は債務水準だけではない《ムーディーズの業界分析》

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小


カテゴリー3.
 高水準の債務負担。政府債務デフォルトの約3分の1は、対外および財政不均衡が続いた結果生じたものである。特に、対外的な交易条件のショックや持続可能性が低い政府の財政方針の結果として、長年にわたって債務負担能力が悪化したことに特徴づけられる。

カテゴリー4.
 制度的および政治的要因。近年の政府債務のデフォルトの残りの3分の1は、制度上の脆弱性あるいは政治的要因に起因するものである。制度上の脆弱性や政治的要因によるデフォルトは、対GDP比で債務が比較的低水準な場合にも発生している。

なお、債権の回収率とデフォルトの原因には相関が見られる。デフォルト後の取引価格で見た平均回収率は、カテゴリー1のデフォルトが最大で68%。次いで、カテゴリー3が57%。カテゴリー2が38%、カテゴリー4がいちばん低く23%であった。全体としての政府債務の平均回収率は50%となっている。

 

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事